産業カウンセリングの試験勉強中は、しばらくは酒も控え、ネットからも遠ざかり、iPadで将棋ゲームやるのも止めよう!と今年の正月に誓ったのに、FacebookでDr.Iが「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」という本を紹介してくれてたので、思わず注文してしまいました。届いてもしばらくは「積ん読」だ!!お願いですから、今から2週間ほどは、私をホッておいて下さい。もちろん、美味しい酒の席があればお付き合いしますが、グレイトフル・デッドなどといふ暴力的に魅力的な言葉を私に届けるのは止めて下さい。と、勝手に一人で反応している私です。
グレイトフル・デッドからマーケティングの何が学べるかは後日に譲り(どうせ暫く読みませんから)、グレイトフル・デッドへの思いだけは、今、書いてしまいます。そうしないと勉強が手に就かないので。
私の学生時代は、昼飯代をケチってでもレコードを買うというのが一種の流行だったので、ミーハーの私は余り深く物事を考えずに、当然のごとく時代の流れにそって、麻雀で小銭が稼げたら山にいく交通費を確保し、それこそ残りはレコードにつぎ込んでいました。
でも駅裏のロック喫茶でやっていた曲は、たいていビートルズかストーンズか。West Coast系のレコードをかけてくれるお店でも、CSNとかCSNY。うん、ニールヤングのハーベストはよくかかったね。他には、キャロルキングかジェームステイラーかカーリーサイモンか、、、グレイトフル・デッドは誰でも知ってるビッグネームだったけど、レコードは不思議にどのお店でもかけてくれない。だから、どんなレコードが自分の好みに合うのか見当がつかない。
そこで、こういう時は、ジャケットを見て直感で買うのがミーハー流です。今みたいにアマゾンもiTuneも無いのですから。それでも不思議と大きくは外さないと感じてたけど、今思えば、自分の好みのアルバムを直感で当てたというより、なけなしのお金をはたいて買ったアルバムだから、たとえ嫌いでも好きになる。カウンセリング用語で言えば、フロイトの「防衛機制」の中の「合理化」に当てはまるでしょうか。「あばたもえくぼ」という奴です。CSNの曲にLove the one (you are) withというようなのがあったけど、多分これも同じ意味でしょう。
そこでグレイトフル・デッドで最初に直感で買ったアルバムが、Skull & Rosesです。なんと言ってもジャケットが骸骨と薔薇だからね。20歳のボクはこれで痺れたわけです。
で、やっぱり買ったから好きになったのかも知れません。でも、あれから40年以上経って、その間ずっと音楽が好きで聴き続けてきたこと、特にジャズやカントリーが理屈抜きで好きなこと、恥と失敗の多い人生だったけどそういう自分の内部構造の中で、音楽の趣味だけには(自慢はしませんが)すごく自己満足していること、、、こうしたことは、このアルバムが大好きな自分というアイデンティティがあって言い切れるのだと今更ながら感じています。エリクソンという社会心理学者が唱える「青年期の発達課題」は、「アイデンティティの確立と拡散」だそうですが、このアルバムを偶然買ったお蔭もあって、私のアイデンティティは、あの激動の60年代〜70年代を何とか生き延び、ヨロヨロとあちこちにぶつかりながら「確立」し「拡散」してきたのでしょう。以前紹介したかも知れませんが、内田樹さんの教育論の中で、「自分に合った仕事を探すのではなくて、仕事が自分を作ってくる、、、」という趣旨のことが書かれていましたが、同じ思考サイクルを感じます。
このアルバムの中身の事も少し触れておきます。全般的には、非常にユルいデッドらしい曲が続くのですが、中盤、特に、6曲目のMe & My Uncle, 7曲目のBig Boss Man, 8曲目のMe & Bobby McGeeは、引き締まってとてもタイトで「そうか自分はこういう音楽が好きだったんだ!」というAha!とデジャブ体験を両方合わせた気持ちになった3曲です。誇張でなくレコードの溝が擦り切れるまで聴きました。9曲目のJohnny B. Goodeは、それほどに感じなかったので、まだ溝はしっかり残ってるはずです。評判の高いNot Fade Away/Goin' Down The Road Feeling Badは、確かにジェリーガルシア畢竟の名演奏だけど、まあショアラインの芝生の上で寝っころがって聴くものでしょう。
ちなみに彼らのデヴューは、シリコンバレーの中心地Palo Altoです。デッドのレコードを直感で買ってから20数年後、自分自身が人工衛星の打上現場監督業から足を洗った直後の1993年に会社のPalo Alto事務所長として同じ地に住むことになろうとは、あの頃の虫よりは少し頭がいい(多分、ゴールデンリトリーバーよりは知能指数が低かった)若い山男には想像もつかないことでした。
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